11日の追記



この写真で思い出したこと


私は以前デザインの仕事をしておりました。
入社して数年目に
チーフデザイナーのもとでのアシスタント仕事を卒業して
進行制作管理をすべて独りで取り組むことになりました。
目が回るほど忙しかったけど
ひとりで切り盛りすることの難しさや
それを乗り越えて得ることの出来る達成感を感じていた
そんな日々を送っていたころのことです。

とある撮影をあるカメラマンにお願いすることになりました。
その方はその分野の撮影のベテランで著作もあり
明るくうつくしく鮮やかなのだが
エロスが暗喩されている写真を撮られていました。
先のヒヤシンスの写真でそれを思い出したのです。
(写真のレベルは比べ物になりませんが)


厳しい人だとさんざん先輩デザイナーに脅かされ
気を引き締めねばいかんなーといつも以上に念入りに準備をして
打合せや撮影に臨んだのをおぼえています。


撮影後しばらくしてほかのデザイナーから
「"あの時のコ、元気でやっているかい?一生懸命だったなぁ。
また仕事したいね"って先生が言ってたよ」と伝えられて
気が利かなくて不器用だから必死だっただけなのに
そう思っていただけたのが意外で驚きました。


今思えば、見栄や体裁を整えることなく
まっすぐひたすら目の前のことに臨んだだけだったんだけど
真摯ってそういうことなのかな。
相手からこう見られたいという期待をはなからもたないこと。


植物が花を咲かせるのは
命をつなぐことに魂を燃やしつくすのであって
誰かにほめてもらうつもりではないだろう。


花のように自分を全うしたい、です。